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hakaru.aiチーム hakaru.aiチーム

PROJECT 04

「点検業務を速く、ラクにする」
を日本からグローバル展開へ


hakaru.aiチーム

工場や施設管理に不可欠な点検業務だが、各種デジタル/アナログメーターの混在がシステム化を阻んでいた。「hakaru.ai」は、スマホでメーターを撮影するだけで、AIが数値を読み取り、台帳記録までを自動化する。
点検業務を効率化する画期的なサービスとして高い注目が集まる。

エンジニア

TAKANOBU KAMADA

鎌田 隆信

CTO室 エンジニア

マーケティング

EMI MATSUDAIRA

松平 恵美

企画開発部
AI・IoTマーケティンググループ チーフ

ディレクター

NAOKO TAGIRI

田伐 直子

企画開発部
クリエイティブグループ チーフ

営業

HITOSHI SUEMASU

末舛 仁史

営業部
IoT営業推進グループ チーフ

STORY 01

AIを基盤としたサービスを
創造し
新しい働き方、
新しい価値を提供する

IT化は今やあらゆる分野に広く浸透しているが、まだまだ進んでいないところもある。その一つが工場や各種施設の稼働・管理に不可欠な点検業務だ。メーターを目視で読み取り、手書きで紙の台帳に記録し、数値をパソコンの台帳に転記して管理するという手法が一般的だが、その業務負担の大きさが長年の課題であった。メーターの種類は様々な上、数もとても多く、システム化にはスマートメーターへの交換や工場の稼働停止など莫大なコストと工数がかかるため、IT化を遅らせる原因となっていた。
こうした状況を変えるべく、hakaru.aiチームが企画・開発したのが、スマートフォンでメーターを撮影するだけで、AIの画像認識が数値を読み取り、リアルタイムに集計して台帳記録ができる「hakaru.ai」だ。デジタルはもちろん古いアナログメーターにも対応し、既存のメーターにQRコードのシールを貼るだけで導入できるため、大規模な設備投資をせず安価にIT化を実現できることを大きな特長としている。異常時には、管理者に自動通知する機能も備えているため、製造工場やビルなど不動産管理での点検業務を効率化し、人的ミスの防止にも貢献する。

hakaru.aiは元々、企業のIoT・AI化をサポートする当社の「IoTの窓口」の実証実験からスタートしたプロジェクト。きっかけは「loT Japan 2017」に出展した顔認識AIを使ったデモ展示を見たお客さまから、「この技術を使って、工場にある課題を解決できないだろうか」と尋ねられたことだった。
「私たちのミッションは、AIを基盤とした誰でも簡単に使えるサービスの創造です。それに加えて、お客さまの業務効率化やデータ活用を通じて、新しい働き方、新しい価値を提案・提供することを目指していたため、目的に沿った良いサービスになると確信しました。」
しかし、ターゲットとなる業界・業務の知識や経験が無かったため、企画・開発のすべてが初めてづくしであった。
「工場の現場では、どのような課題を持たれているのか、どのような業務があるのか、どのようなメーターを点検しているのか…を把握することからスタートしました。課題、ニーズ、要望をもらう度にチームで検討し、現場に何度も足を運んでトライ&エラーを繰り返して乗り越えていきました」
AI開発は学習用に数多くのメーター画像が必要となる。そこで現物を集めてデータベースを作成し、学習モデルのチューニングを地道に行って認識精度を高めていった。

STORY 02

サービスの適応範囲を広げ、
グローバル展開を加速する

プロジェクトは、「hakaru.ai byGMO」の名称で2018年7月に先行してβ版の提供が開始された。当初から新サービスに対する反響は大きく、β版の利用申込には53社からの応募があり、製造業、ビル管理会社など31社が利用して評価を実施。そのフィードバックを受けた製品版が2019年1月末にリリースされた。
「リリースから日が浅いので明確な成果はこれからになりますが、すでに大きな手ごたえを感じています。実際、先行申込プランは早期に予定数に達して受付を終了し、出展した展示会でも大きな反響がありました。特に、今までお取引がなかった大手製造業、大手ビル管理系企業のお客さまとのお付き合いが増えました」
関心を持つ企業は、当初にチームが想定した工場、ビルなどの施設管理だけに留まらない。食品業界における商品製造の証跡、改ざん防止といったニーズや、食品を扱う店舗において温度・湿度等の品質管理などにも採用されているという。
「日本には約20万ともいわれる工場があるだけに、製造業だけでも潜在的なニーズは相当なものがあります。しかも、人手不足は各業界の共通課題なため、点検業務の効率化を通じてその解決に貢献していきたいと思います」

今後も、チームではAIの認識精度の向上を図って、より多種のメーターを解析できるようにしていくとともに、ITに不慣れな人でも簡単に使えるサービスへとさらなる改善を進める。また、現在の機能だけにこだわらず、各業種別の点検業務における課題を深掘りした機能拡充にも取り組んでいく方針だ。 「これからは、さらに発想を広げて、メーターだけでなく画像から判断できる範囲を拡大したり、画像以外の情報からも判断できる機能を増やしたりすることで、今の発想にはない新たな価値を提供したいと考えています」 もう一つのテーマに、当初から想定していたグローバル展開がある。GMOグローバルサイン・ホールディングス各社のグローバル拠点と連携したマーケティング・営業の強化を進めて、海外への販売を加速していく計画だ。 「チームもコアメンバーが5名、他業務との兼任メンバーを加えると10数名にまで拡大しました。まずは、hakaru.aiを一つの柱となる事業として確立し、発展させていくとともに、将来的には点検・検針業務のデファクトスタンダードにすることを目標にしています」